出典:fxtop.com
序説
日本では長らくデフレ不況に悩まされてきました。
デフレ不況とは物価(モノの価格)が下がるので一般市民には良い事のように思えるかもしれません。
しかし、実際は物価が下がると、企業の業績が厳しくなるので我々の給料は上がりません。
すると消費は冷え込むので、結果的に景気が悪くなります。
しかし、日本はゆっくりインフレへと舵を切り始めたのをご存知ですか?
では、インフレに向かいつつある現状と理由について、私なりの見解をお伝えしたいと思います。
※インフレについて詳しく知りたい方は下記の記事をご参照ください
日本はまだデフレ不況から脱していない
出典:時間を自由に使う
現在、日本はまだデフレ不況から脱していないと思います。
その原因の一つに、「需要と供給のバランスが崩れている事があるのでは」と思っています。
最近ではあまり、「高級車が欲しいとか大きい家に住みたい」などの声は聞かれません。むしろ所有や浪費によりも共有や節約の傾向が強くなってきています。
しかし、多くの企業は未だ、収益を上げる為に沢山のモノを作り沢山販売することにフォーカスし続けているように思えます。
需要が無い所に、多大な宣伝・広告費をかけて消費を煽り、無理やり販売しようとしているのです。
特にサービス業においてはその傾向が謙虚で(お店、販売者)が多くなりすぎて、需要(消費者、買い手)が追い付いていません。
実際どうですか?
あなたの近所にもコンビニや飲食店など、多すぎると思いませんか?
すると、どうなるかと言うと、当然お客の取り合いですから、値下げや宣伝・広告やらで企業の収益は減少します。
そんな中で政府は最低賃金を上げたら景気が回復すると思っているのか、年々最低賃金を上げています。
ますます、中小企業の経営を圧迫しています。
年々、ベテランや中堅社員の負担は大きくなり、反面、給料は上がらなくなってきました。
さらに、企業としては、求人募集をかけても優秀な人材は一部の有名企業に取られてしまうため、そんなに優秀じゃない人材を高い人件費をかけて採用しなければいけません。
何とも割に合わない歪んだ経済構造になってきています。
国が乱発している国債は何処に行っているのか?
出典:Share News Japan
国はこれまでのデフレ不況から克服するために莫大な量の国債を発行して来ました。
現在、国の借金は1000兆円とも言われています。
出典:ウェキペディア(国債の推移、赤が内国債、黄色が短期証券、青が借入金、水色が一時借入金)
これら国が発行した国債は銀行などの金融機関が保有している訳ですから、国民の資産とも言えます。
国民は金持ちなのになぜ、我々一般庶民には実感がないのでしょうか、
それは一部の「お金持ち」や「優良企業」が貯めこんでいるからです。
何十億円もの資産を持っている超富裕層、何百億円もの貯めこんだ企業の内部留保、これらのお金が市場に出回らず滞留しているのです。
本来ならこの滞留したお金を市場に流れるようにしなければなりません。
にもかかわらず、政府は抜本的な打開策を講じる訳でもなく、ひたすらお金をばらまく「異次元の金融緩和」などを行なっただけでした。
人手不足がインフレの原因に
出典: 飲食店経営プロ
私が携わるサービス業の業界ではアルバイトスタッフが確保できず、時給を上げて募集し、「やっと1人、2人採用できるかどうか」と言うのが現実です。
企業は労働力(人手)を確保する為、採用に経費を掛けざるを得ません。
資金的に余裕のない中小企業は人件費の高騰は死活問題です。
すると、企業はどうするかと言うと、ベテラン、中堅社員の昇給は据え置きます。
そして、行く行くは「もう、我慢の限界」と言う事で販売する商品の値上げに踏み切るしかなくなります。
現に物流現場の人手不足は深刻で、業界1位のヤマト運輸は運賃の値上げを実施しました。
静かですが、インフレは確実に始まっています。
知らないうちにインフレは進行している
私の給料はここ数年、全く上がっていません。にもかかわらず手取り収入は減っています。
これは税金や保険料などの値上げによるものです。
さらに言うと、水道・電気・ガスなども毎年徐々に上がってきています。
出典:総務省「消費者物価指数」より
※通信、高速道路料金はここ数年で下がっていますが、実感はありますか?
なぜか、どれだけ探しても平成25年以降のデータは見つかりませんでした。
それと、モノがだんだん小さくなって来てるのはご存知でしょうか?
お菓子や缶コーヒーなど、あまり気づいておられないかもしれませんが、企業は値上げをして消費者が離れていくのが怖いので内容量を減らして商品原価の上昇をカバーしているのです。
これも、既に我々の知らないうちにインフレが進んでいる証拠です。
「インフレがやって来た」と世間で騒がれ出してからではもう遅いのです。
恐らく政府はこれからもバカの一つ覚えみたいに国債を発行してお金をばら撒き続けるでしょう。
そして、そのお金が市場に流れだした時がまさに運命に分かれ道となるでしょう。
その時物価は急激に上昇していきす。
それに応じて給料が上がっていけばいいのですが、恐らく物価の上昇に賃金の上昇は追いつかないと思います。
その時、現金や銀行預金しかない人は急激な資産価値の目減りに愕然とすることでしょう。
反対に株や不動産、その他インフレに強い金融資産に変えている人たちは資産を守れると同時に大きく増やす事が可能です。
※インフレに強く、リスクの少ない金融資産として以下の記事をご参考下さい
まとめ
今回はこれからの日本がインフレに向かうであろうと思われる理由と想定される過程を解説しました。
インフレに関しては経済の専門家の間でも意見はバラバラで「絶対に急激なインフレにはならない」と言う人もいます。
しかしながら昔から語られ続けている格言があります。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」
「歴史は繰り返す」と言う事です。
そして、その内容を示唆する最近の世界情勢ですが、自然災害、アメリカファースト等に見られる自国主義、貿易戦争などのキーワードがその行方を示しているのではないでしょうか。
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