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年金受給開始年齢は70歳になる?繰り下げ受給は本当にお得か?

投稿日:2018年11月4日 更新日:

序説

40代サラリーマンのあなた、年金は何歳からもらえるか知ってますか?

年金とは、老齢基礎年金老齢厚生年金(報酬比例部分)に分けられ、は原則65歳から受給できます。

それ以前に早く繰り上げて受け取ることも、66歳以降に繰り下げて受け取ることも可能です。

 

年金は受け取る時期を少しでも遅らせた方がお得?

年金は65歳を起点として、月単位で繰り上げる(65歳より早くもらう)ことができますが、1ヵ月繰り上げるごとに0.5%ずつ年金が減額されます。年金を60歳からもらいたい人であれば、、本来の受給金額の70%に減額された年金額が将来続くことになります。

平均的なサラリーマン所得で試算をしたとして、65歳まで仕事し、65歳で受給を開始した場合の年金額は月16万7000円で、60歳で仕事を辞めた場合より微増します。

 

政府は、継続雇用年齢を現行の65歳から70歳に引き上げる事を検討しています。

それに伴い、年金の受給開始時期を70歳以降も選択できるよう検討を進めています。

高齢になっても働き続け、年金の受給開始も遅らせた場合の年金受け取り額を増やす事でメリットを打ち出そうと考えています。

では65歳まで働き、受給開始時期を70歳り下げた場合はどうなるかと言うと、受け取れる年金額は月23万7000円と大幅に増えます。

70歳まで働き、70歳から受給開始するとさらに増え、30万7000円になります。

 

いったい何歳から受け取れば良いのか

それでは、いつから受け取れば一番お得なのか?

60歳定年後、再雇用制度を利用し65歳まで働き、65歳から年金を受給する現行のパターンを基本とします。

 

65歳まで働いて、70歳から受給するとします。65歳から受給した人と比較してどうかと言うと、その人が81歳まで生きて、総受給額が並びます。

さらに90歳まで生きたとしたら総額で764万円得すことになります。

続いて、70歳まで働いて75歳から受給するとしたら、その人が86歳まで生きて初めて65歳から受給した人を総受給額で追い抜くことになります。

少しややこしいですが下図を見て頂ければ一目瞭然です。

現在、日本人の平均寿命は男性が「81.09歳」、女性は「87.26歳」です。

単純に考えて男性であれば早めに受給していた方がお得となり、女性であれば75歳まで繰り下げ受給した方がお得と言う事になります。

 

統計データで見た現状の受給開始時期

上記の「何歳から受け取れば良いか」についてですが、あくまで単純な計算上の話で、人はいつ死ぬか分かりませんし、その時の健康状態(働ける状況なのかどうか)によっても大きく影響されます。

実際に受給年齢を遅らせれば、その間は仕事で収入を確保するか、貯金を切り崩して生活を維持して行く必要があります。

60歳からの仕事は精神的にも肉体的にもかなりハードになると考えなければなりません。

要は、自分がどれくらい健康で長生きするか予測を立ててシュミレーションするしかないのです。

しかし、こればかりは誰にも正解は分かりません。

では現状、何歳から受給を選択している人が多いかと言うと下記の図をご参照ください

※画像は全てMatsu Takeuchiチャンネルより転用

66歳以上の繰り下げ受給を選択している人は全体の1.4%、つまりほとんどの人は65歳までに年金を受給していると言う事になります。

平均寿命が延びているとはいえ、年金の受給を遅らせる人は少ないのが実情です。

やはり、定年退職した後も仕事せずに悠々自適に暮らせる人はごく限られた富裕層たちのようで、一般のサラリーマン世帯では早々に年金をもらわないと生活できない現状を表しているのではないでしょうか。

 

メディアの情報に惑わされず自分で判断する

それにしてもなぜ現在、年金支給年齢は基本65歳なのに、企業の定年は60歳なのでしょうか?

65歳までは再雇用の義務が企業にはありますが、殆どの企業で給料は半減します。

※詳しくは定年後、それでもあなたは会社に残りますか?ご参照

ここに、大きな矛盾を感じます。

国自体が国民に対し、多くの人が年金の支給開始年齢を繰り下げるように宣伝、啓蒙していき、実際に年金を受け取り始めたら「少しでも早く死んで下さい」

という事を密かに願っていると勘ぐりたくもなります。

「いくら何でも言いすぎだ」と言う人もいるかもしれませんが、年金システムは既に崩壊しています。

以前に年金とは国家的合法な「ねずみ講システム」と言う記事で書いたと通り、国は如何にして現役世代から年金の補填金を巻き上げ、高齢者世代には支給額を減額できるかを考えています。

この度の働き方改革や年金受給年齢の選択幅を広げる施策など注意深く見ておかなくてはいけません。

いつも損をするのは経済的弱者であり情報弱者です。

政府が新たに政策を打ってきた時は必ず裏を探り、そして表向きのメディアの発表に惑わされない様に判断しましょう。

その為にも定年を迎えてからも自分で稼ぐ方法をマスターしておきたいものですね。

 

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