序説
「株取引」を始めるは簡単ですが、結構「株取引」の仕組みを分からずに取引している人がいます。
いざ、実戦において「指値注文」を出したのに結局「買えてなかった」とか
買った株が調子よく上がって行ってるのに「いざ、売り注文を出しても売れなかった」という経験はありませんか?
ここでは、株経験者でも意外と知らない「ストップ高」の仕組みについて解説していきます。
いざ、実戦で何が起きてもパニックにならずに冷静に対応して、しっかり利益を確保出来るようにしましょう!
それでは、始めますね。
ストップ高とは?
株式市場においては相場が暴騰あるいは暴落した場合,その混乱を防ぐために1日で動く事の出来る値幅の制限を設けています。
株価がその値幅制限を超えて上がってしまうと取引が中止されてしまいます。
そのときの値段を「ストップ高」といいます。
その反対に値幅制限を下回ってしまう事をストップ安といいます。
「ストップ高」にしろ「ストップ安」にしろ取引が停止しますので、
「売りたくても売れない、買いたくても買えない」という現象が起こってしまうのです。
※出典:ジャパンインベストメントスクール
値幅制限はその株価によって決まります。
※出典:アフィリエイト戦略ガイド
例えば前日の終値が1,000円の「A株」があったとします。
すると、上図から見れば「A株」の当日の値幅制限は「700円~1,300円」となります。
別に難しい事ではなく、ここまでは比較的簡単にご理解頂けたかと思います。
しかし、値幅制限までがらなくても「ストップ高」になる事があります。
「ストップ高」に貼りつくとは
それでは、その仕組みを「板情報」をもとに説明していきますが
その前に、「株の仕組みそのもの」を理解しないといけません。
株取引は需要(株を買いたい人)と供給(株を売りたい人)によって成り立っている。
と言う事を改めて認識して下さい。
詳しくは下の記事をご参照ください
「ストップ高に貼りつく」までの流れを見ていきます。
例えば下図の様な板情報「A社」の株価があったとします
この会社が「画期的な技術を開発した」という情報が流れて株価が急上昇しました。
さらに噂が噂を呼んで、どんどん株価が上がって行ったとします。
そこで、上図の左列の売り数量を見て頂きたいのですが、
この列は「この価格で株を売りたい」と既に「指値注文」をしている数量を表しています。つまり「供給側」ですよね、
そこにこの会社のGoodニュースが急に飛び込んで来た訳ですから、大量の「成行買い」が発生すると予想されます。
つまり大量の「需要」が急に発生する訳です。
すると「売注文」を出している左列の数量がみるみる減っていきます。
ついには66,000枚全て買われてしまい、売る株式が無くなってしまいます。
すなわち、「需要」が「供給」を食いつぶしてしまった訳です。
※出典参考:IBカレッジ
すると、上図の様に左列側の供給(売り手)が居なくなり、150円の「ストップ高」となります。
このように「成行」買い注文数20,000株(需要)に対して、売ってくれる人(供給)がいないので、買えずに宙に浮いたままの状態を「ストップ高に貼りつく」と言います。
この状態は次に売り手(供給側)が注文数が最低でも20,000株の「売り注文」を出してくれないと「ストップ高」は解除されません。
せっかく「注文を出したのに買えない、売れない」なんて事はこうして起こるのです。
これは、一日の「商い」が少ない株(出来高が低い)株によく起こります。
ここで大事なのは、いくら値動きの激しい銘柄で取引して利益を出そうとしても
出来高(取引量)の低い銘柄で売買していると「買おうにも買えない、売ろうにも売れない」という前述の様な現象に遭遇してしまう事があり得ると言う事です。
なので取引を行う上で、なるべく「出来高」の高い銘柄を選ぶことが重要なのです。
実際保有している株がストップ高になったらどうする?
実査に持ってる株が突然ストップ高になって売りたくても売れない時の対処法は以下の2点になります。
1、買いの「成行注文」を出しておいて、注文数以上の「売り」注文が出るのを待つ
2、ストップ高の150円の価格で「指値注文」を出しておく
※「成行注文」と「指値注文」の違いについては以下の記事をご参照ください
ちなみに、約定(成約)の優先順位は「成行注文」が上になります。
「ストップ高」に貼りついたまま大引けを向かえたら?
注文を出しておいたが結局、「売り数量」が「買い数量」に追い付かず、大引けの午後3時を向かえてしまったらどうなるか?
これは「比例配分」といって
証券会社ごとに注文数量を合算し、注文数量の多い証券会社から最低売買単位ずつ割り当てていく方式となっております。
※出典:楽天証券
比例配分の細かいルールについては、各証券会社で異なるます。
(例)
■時間優先(早く注文を出した人が有利)
・SBI証券、マネックス証券
■申込数優先(たくさん注文を出した人が有利)
・松井証券、GMOクリック証券
等々
まとめ
株式投資をやっていると「ストップ高」とか「ストップ安」とかよく耳にしますが、
詳しく意味を知らないで取引をしている人が意外と多い気がします。
すると、注文を出しているのに「買えなかった」もしくは「売れなかった」と言う事がよくあります。
株式の仕組みを理解する事で、上記の理由がわかり、実戦で狼狽えなくて済みます。
大事なお金を動かす訳ですから、株式投資についてよく勉強し
「意味が分からず思わず狼狽売りしてしまった」等しないように
賢くお金を増やしていきましょう!
※株の勉強は トレーダーの為の専門サイト「トレーダーズショップ」 をご覧ください
編集後記
私も昔、株式投資を始めた当初は基本的な株式の仕組みを理解していなかったので、
仕事から帰ってパソコンを見たら、注文を出しておいた株が「何で買えなてないんだろう?」とか
「何で注文を出していた価格よりも高い価格で買っているんだろう?」など不思議に思っていました。
しかし、よく勉強していくうちに、
株もどんな商売も「全ては需要と供給で価格が決まって取引が成立するんだ」と
改めて認識しました。
私は「株式取引き」によって世の中の仕組みや商売の基本を勉強する事ができました。
ある意味、需要と供給、人間の欲望と恐怖が絡み合った経済の本質を勉強している様な気がします。
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